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看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)編
顔なじみだからこそ安心できる看護と介護
医療法人豊隆会 ナースケアホームアイリスちくさ内山

はじめに

看護小規模多機能型居宅介護ってどんなサービスなの? と多くの方が思われるかと思いますが、平成27年度に登場した新しい介護保険サービスです。

看護小規模多機能型居宅介護ですと長くて呼びづらいので、ここでは「看多機(かんたき)」とご紹介させていただきます。

看多機のサービスは、ご自宅からの「通い」を中心とした在宅介護サービスに、宿泊や訪問介護、訪問看護を組み合わせることが可能で、常に看護と介護が必要な重度の人でも継続して切れ目なくご利用いただけるサービスです。

また、人数登録制(上限29名)で、他の利用者様や職員となじみの関係が作りやすく、家庭的な雰囲気の中でお過ごしいただけます。

看多機が新たな介護サービスとして誕生した経緯について

(経緯について:日本看護協会資料より)

在宅療養を難しくしている要因として、病院、訪問看護ステーション、がんセンター、在宅療養する利用者・家族にヒアリングした結果

病院
  • 家族が在宅介護で疲れてしまい、レスパイト 的な緊急入院が多い。
  • 在宅で看取れるか家族が不安になり、在宅看取りの意思が揺らいでしまう。

※レスパイト:「一時的中断」「休息」「息抜き」といった意味

訪問看護ステーション
  • 在宅の介護力が足りないために、病院に入院してしまう。
    (介護サービスさえあれば、かなりの医療的な対応、症状緩和は在宅でもできる)
  • 家族が不安・疲弊してしまい、ターミナル期の2~3週間を在宅で支え切れない。
がんセンター
  • 動けなくなるのは最後の数週間だが、その数週間を支えてくれるサービスがない。
  • 医療機関ではなく、生活の場に、タイムリーに医療や看護が入れる仕組みが必要。
在宅療養する利用者・ご家族
  • 「家で看取る」というイメージがつかない。
  • 在宅療養で困ったことや不安を、身近に相談できる相手がない。
  • 医療依存度が高い人を受け入れてくれるショートステイがない。

こうした要因で「退院後、家で見るのは不安でムリ」あるいは「これ以上、家で見ていくのは疲れた」と家族から声が上がってきます。そこに見えるのは、家族への”支え”の不足であり、最終的に選択肢が病院(入院)しかないということが課題です。その課題に対して、看多機は、利用者、家族の支えとなる各種在宅介護サービスのうち、4つのサービスを一つの事業所で対応ができるように形つくられています。

では、看多機とはどのようなサービスなのでしょうか。

看多機を利用される理由

  • ①退院するが、医療的処置(経管栄養、膀胱留置カテーテル、人工肛門など)が日常的に必要で家族での対応が難しい、自信がない。
  • ②重度の認知症や嚥下機能低下がある。
  • ③病院での治療は終わったが、継続的な輸液管理が必要な方や看取りを考えられている。
  • ④特別養護老人ホームや老人保健施設への入所待ち。

サービスの内容

デイサービス、ショートステイ、訪問介護、訪問看護は、別々の事業所が提供することが一般的ですが、一人の利用者に対し4つのサービスを組み合わせると、考えられる問題として「なかなか情報が事業所間で上手に伝わらず、トラブルが発生しやすい」ということが上げられます。そのような問題も、看護と介護を一体化した看多機の登場により、一つの事業所内で情報共有ができ、重度の認知症やパーキンソン病、脳疾患による麻痺や経管栄養の方など常に医療ケアが必要な人や介護度が高い人も、住み慣れた自宅で療養生活を送りやすくなります。

また、情報が集約しやすい看多機は、その情報をもとに主治医とのパイプ役となることで、在宅でお看取りできるように支えていくこともできます。

看多機を利用するメリット

看多機の最大のメリットは看護と介護の両面からのケアが可能ということです。

  • ①看護師が施設サービス、訪問サービス双方に配置されており、自宅療養者に対し主治医の指示のもと「褥瘡の処置や皮膚トラブル処置」「痰の吸引や経管栄養」「健康管理」などの実施ができる。
  • ②ケアプランは看多機に所属しているケアマネージャーが一元管理するので、利用者の状態や希望に合わせたサービスを提供しやすくなる。
  • ③一つの事業所だからこそ、ケアマネ、介護、看護の協力が直結でき「新たに処方された内服薬」「利用者の体調の変化に柔軟に対応した介護ケア(褥瘡予防や食事)」などの情報共有がスムーズに行われる。

その他のメリットを紹介

  • ①一つの事業所との契約で、宿泊(ショートステイ)・通い(デイサービス)・訪問(訪問介護・訪問看護)サービスを一体的に利用することができることから、いくつもの事業所との契約が不要。
  • ②宿泊や通いで会っている顔なじみのスタッフが、自宅にも訪問することができるので安心感がある。(自分のことをよく知っている人がそのまま自宅でもケアしてくれる。)
  • ③身体状況に応じた柔軟なプランの立案が可能(退院直後だが、医療的ケアがあり家族に不安が残る場合、宿泊・通いを利用しながら、日中の短時間(1~2時間)から自宅生活を開始し、家族の不安解消にともない徐々に自宅での生活の時間を増やしていくなど)
  • ④要介護度に応じた、月額定額制なので、さまざまなサービスを利用しても区分支給限度額を超えることがないので、点数を気にせずサービスを組み込むことができる。
  • ⑤施設内では、毎日のレクリエーションを開催し、寝たきり予防や活動によるメリハリのある生活をサポートします。

要介護度に応じた月額定額以外の利用料について

介護保険の自己負担(1~2割)以外の利用料について

  • ①食費(朝食、昼食、夕食、それぞれ食事された分をいただきます。)
  • ②宿泊費(宿泊された日数分をいただきます。)
  • 宿泊費の料金に基準はありませんが、1日2,000円~3,500円程度が多いようです。

  • ③おむつ代など

いくら利用しても同じだからといってもサービスを詰め込みすぎると、その他費用が発生するのでその都度確認は必要です。

おわりに

看多機は、4つの在宅介護サービスを、顔なじみの担当者がいる一つの事業所の中で連続して受けられることで、「認知症の人にもやさしい」サービスとなっています。
いつも顔を会わせる職員が関わらせていただくことで、

  • ①自分を知っている人に囲まれて生活する安心感を得ていただけます。
  • ②認知機能の低下により、たとえ職員の名前や顔が分からなくなってしまっても、「この人知っている」と感じ安心感を得ていただけます。
  • ③顔なじみの職員だからこそ、施設内の介護・看護、ご自宅への訪問介護・看護に対して不安を軽減できます。
  • ④職員だけでなく登録者も人数制限されていることから登録者同士も顔なじみの関係が作りやすくなります。

デイサービスやショートステイ、訪問介護を利用していて事業所ごとに担当者が変わると、担当者になじめずサービスを拒まれたりする場合もありますが、看多機であれば、顔なじみの担当者がそのままサービスを提供したり、事業所の中にいたりするため、利用者が安心して過ごせる環境を整えることができます。

利用者が安心できる人であったり、場所であったり、雰囲気と感じて頂ければ、自然に「不安」⇒「笑顔」へと変わり、その笑顔をより多く引き出せるサービスは看護、介護の両面からサポートできる看多機ではないかと思っております。