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在宅医療総論

在宅医療導入のポイント

◆在宅医療の対象者とは

・在宅医療は“『疾病や外傷あるいは加齢によるADL低下』または、『認知症その他の精神疾患などによる障害』などによって自力通院が困難な者を対象としている。”※1 重い障害や疾病を有している患者さんも多く、予後が比較的短期間であるといえるため、在宅医には患者さんの死と常に向き合いながら仕事をすることになる。
・通院困難である理由は様々であるが、保険診療の対象については、事実上医療機関の裁量にゆだねられている。“しかし、あくまでも、近隣医療機関に自力通院可能な患者さんに保険診療で在宅医療を行うことは認められていない。”※2
・在宅医療を実施している多くの医療機関においては非がん疾患患者も多く、長い期間、信頼を基本とし、様々な課題に対応しなければならない。

◆在宅医療の導入

・通院が可能な身体状況の場合、外来通院の形で対応するべきである。また、虚弱高齢者や認知症の患者さんなど、通常は外来を通院することができていても、発熱などで通院が困難になった場合はかかりつけ医として弾力的に往診を行うようにする。
・在宅医療を開始する前には、家族と事前の面談の機会を設け、事前の情報収集や患者さんや家族の希望などをしっかりと話し合っておくことが重要である。事前の情報としては、前医からそれまでの診療経過や患者さんや家族への説明事項の内容などを入手する。なお、導入面接時には診療報酬や医療費の制度について説明ができる担当者の同席が望ましい。
・医師は主に今後の治療ケア方針についてわかりやすく説明し、共通認識を持ってもらう。また、かかりつけ病院、急病時の対応、看取り対応などについてあらかじめ確認する。

◆退院時の指導について

・入院中の患者さんについて在宅導入の依頼があった場合は、退院時に共同指導を行うように調整する必要がある。院内のソーシャルワーカーと連絡をとり、病院主治医、訪問看護ステーション、調剤薬局にも臨席を呼びかけ、カンファレンスを行う。

表.「退院時共同指導」の際に確認すべき事項

  • ・病歴や、現在行っている治療・ケアの確認
  • ・療養場所についての患者家族の思い
  • ・治療・ケアのシンプル化
  • ・医療処置や手技の指導
  • ・退院までに必要な手続きや準備
  • ・再び入院が必要となった場合の対処方法
  • ・状況を踏まえた退院日の決定

※公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 在宅医療テキスト P17より作図

◆初回訪問診療

・初回訪問診療では、患者さんの病態のみならず、患者さん自身の思いをしっかり把握するように努める。最終的な患者さんの希望や価値観をより尊重し、患者さんにより多くを語ってもらうように心がける。
・生活環境が整っているかをよく把握し、ADLに見合った補助用具や、住環境を評価し、QOL維持の観点からアドバイスする。
・患者さんの食事や排せつ、外出機会の有無やサービス利用の状況などを把握し、1日や1週間の生活の様子を確認することで廃用症候群や認知機能低下のリスク、治療的介入などを知り治療ケア方針決定に役立てる。
・プライバシーに配慮しつつ、経済事情や家庭が抱える問題についても、できる範囲で把握する。

◆在宅療養計画

・在宅時医学総合管理料の算定にあたっては、患者さんごとに総合的な在宅療養計画を作成することと定められている。

在宅療養計画は、前医からの処方や継続すべき検査などの情報、また導入面接で聴取した家族の希望、かかりつけ医の選定、急病時の対応、看取り対応など、さらに初回訪問診療での確認事項として、患者さん自身の認識、希望や住環境の様子、家庭背景などの情報を記載するものである。この在宅療養計画は在宅療法支援チームが合意した治療ケア方針として関係者が情報を共有する。

参考文献

・公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 在宅医療テキスト P14~18 から改変

引用文献

※1公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 在宅医療テキスト P14

※2公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 在宅医療テキスト P14

監修:全国在宅療養支援診療所連絡会 会長 新田 國夫