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在宅医療の臨床課題

在宅医療で必要な食支援

◆在宅医療における食支援

在宅医療では食の確保は大きな問題である。患者さんにとっては、経口摂取が可能かどうかが在宅か入院かの分かれ目ともなる。認知症や摂食嚥下障害をもつ人は『食べること』が療養生活の中心であり、また、終末期では食支援が『生きていること』を確かめることにもなっている。
在宅医療においては『食べさせること』が在宅医療にかかわるすべての医療従事者と家族が最も優先的に取り組むべき課題であり、多職種連携の要となっている。

◆食支援を必要とする患者さんとは

①加齢による身体機能の低下により、食欲、摂取機能、消化管機能の低下した患者さんで、サルコペニアとなっている。
②悪液質の患者さん(原因疾患として、がん、慢性感染症、膠原病、慢性心不全、慢性腎不全、慢性呼吸器不全、慢性肝不全など)
③先天性もしくは後天的な要因により、摂食能力に障害を持つ患者さん
④認知症の患者さん

◆食支援の必要条件

医師は下記の情報を総合して食支援についての判断をする役割がある。
①正確な食事摂取状況の把握
②栄養必要量と現在の栄養摂取量の推定
③口腔内の状況把握
④摂食嚥下障害の有無
⑤認知機能の評価
⑥本人の生き方、主義、嗜好
⑦家族、介護者の食準備・介護状況の評価

◆食支援のポイント

まず、歯科関係者と管理栄養士との協働が必要である。摂食嚥下障害においては、食介助や訓練にかかわる理学療法士、作業療法士、訪問看護師、ホームヘルパーなどとの協働が必要である。

歯科との協働

高齢者や障害者において食が進まなくなる大きな理由は、口腔内の問題(口腔内の不潔、歯の痛みや義歯の不適合、歯周病、口内炎など)があげられるため、歯科の直接の評価と治療が必要である。日常的な口腔ケアによる口腔内清潔が食支援の前提であり、嚥下機能やコミュニケーション機能の維持向上において大変重要であること、また、誤嚥性肺炎の予防にも有効である。口腔ケアについては、訪問歯科医に依頼し、歯科衛生士の専門的口腔ケアを依頼することが、在宅での協働で最も有効である。

管理栄養士との協働

現在の栄養状態や食事状況の把握、適切な食形態と食の提供法の選択、食材の選び方や調理方法の相談、食介助の方法など、食に関わるどのようなことがらも、在宅で訪問栄養食事指導を行っている管理栄養士への相談が有効である。

参考文献

・公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 在宅医療テキスト P64~65を改変

監修:全国在宅療養支援診療所連絡会 会長 新田 國夫