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【社会医療法人 桑名恵風会 桑名病院】
脳卒中患者を急性期から回復期、在宅まで支える市中病院

取材日:2017年10月6日 新潟市 桑名病院

北に日本海を臨み、東西を信濃川と阿賀野川の河口に挟まれた住宅街に立地する桑名病院。脳神経外科領域に強みを持ち、脳卒中患者を対象とするストロークセンターを稼動させているほか、24時間対応の救急外来も開設している。さらに在宅部門として訪問看護ステーションや訪問リハビリテーション、居宅介護支援事業所を敷地内に併設。地域の開業医や他の病院とも積極的に連携を図るなど、脳卒中患者を急性期から回復期、在宅まで支えていく体制が整えられている。

社会医療法人 桑名恵風会 桑名病院の外観の画像。

社会医療法人 桑名恵風会
桑名病院

  • 所在地:新潟市東区河渡甲140
  • 診療科:脳神経外科、循環器内科、消化器外科、消化器内科、外科、内科、整形外科、 リハビリテーション科、肛門外科、麻酔科
  • 病床数:230床(一般 134床、回復期 48床、地域包括ケア 48床)

手術から術後のケアまで行うケアミックス病院

脳卒中治療のリーディングホスピタル

 桑名病院(渡邉 正人院長)は、脳神経外科領域とりわけ脳卒中の治療に力を入れているケアミックス病院である。年間の入院患者数は約1500名。脳卒中による入院がこのうち70%弱を占める。

 救急告示病院である同院は、24時間いつでも緊急検査や点滴治療、手術が行える救急体制を敷いている。救急搬送の受け入れ数は新潟市内では新潟大学医歯学総合病院、新潟市民病院に次ぐ。もちろん搬送されてくる患者さんの多くは脳卒中。全救急患者に占める脳卒中の割合は大学病院や市民病院よりも高い。これらの事実からは、新潟市および周辺地域における脳卒中治療のリーディングホスピタルともいえるだろう。

患者さんおよび医師から見たケアミックスの利点

 同院に入院した脳卒中患者の多くは、rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法、中心循環系塞栓除去用カテーテルによる再開通療法、脳動脈瘤頸部クリッピング、コイル塞栓術、血管拡張・stent retrieverなどの外科治療を受ける。状態が安定すれば退院となるが、病院でのリハビリテーション(以下、リハビリ)が必要な場合は回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期病棟)に、在宅療養に向けた継続的な治療あるいは訪問看護や介護などのサービスの調整が必要な場合は地域包括ケア病棟(以下、包括ケア病棟)に転棟となる。「3つの病棟を有することが当院の特徴と言えます」と語るのは、脳神経外科部長の森田幸太郎先生だ。

「回復期や包括ケア病棟を有しているため、急性期治療を終えた患者さんが転院することなく次のステップに進むことができます。転院には多少なりとも不安やストレスが生じることになりますが、当院ではそれがないわけです。逆に、回復期や包括ケア病棟で急変した際、速やかに急性期に戻り治療を受けることも可能です。訪問看護ステーションや訪問リハビリなども併設しており、訪問看護師やリハビリスタッフが退院後も患者さんを支援していきます。脳卒中患者を急性期から回復期、在宅まで対応できるという点こそ、当院の最大の強みといえるのではないでしょうか」

 一般に脳卒中治療を担う脳神経外科医は、リハビリ目的で転院した患者さんのその後には関与しないことが多い。だが、同院では回復期リハ病棟に転棟となった患者さんをリハビリの専門医と脳神経外科医が2人主治医制のようなかたちで担当するケースもある。回復期リハ病棟で行われるカンファレンスに脳神経外科医が参加することもある。森田先生は「医師として対応の幅が広がりました」と言う。

「以前は治療して、リハビリにバトンタッチした後についてはあまり関心を持てていませんでした。ですが、当院に赴任してからは、リハビリに移行した患者さんが実際にどのような経過をたどるかをこの目で見ています。いまは転棟後そして退院後を想定しつつ、治療にあたるようになりました」

森田 幸太郎 先生の取材時の画像。
脳神経外科部長
森田 幸太郎 先生
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